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★ 渡海政調会長　影響力示せず　規正法改正　問われる手腕

2024/05/04 05:00

　【ジャカルタ＝梅本寛之】自民党の渡海政調会長が訪問中の東南アジアで、
ライフワークとする科学技術分野での連携強化に注力している。
就任時にはリクルート事件の当時を知る議員として、政権の最重要課題である
政治改革への手腕が期待されたが、ここまで影響力を示せていない。
当面は実効性のある政治資金規正法の改正に向け、貢献できるかが問われそうだ。

　「世界が揺れ動く中で、この地域の役割は大変大きい。
日本外交の中でより強化していかなければならないと確信した」

　渡海氏は３日、インドネシアのラフマット・ゴーベル国会副議長と会談後、
東南アジア訪問の意義について記者団に強調した。

　渡海氏は文部科学相や党科学技術・イノベーション戦略調査会長などを歴任し、
科学技術の政策に明るい。今回訪問したシンガポール、インドネシアの東南アジア２か国では
政府要人らとの会談などを通じ、科学技術分野の共同研究や人材交流での連携強化を確認した。

　渡海氏が政調会長に就任したのは昨年１２月のことだ。
国際共同開発した防衛装備品の輸出緩和に関する自民、公明両党の協議を巡り、
実務者間で行き詰まったことから渡海氏が調整役を担った。
最終的に、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機に限定して輸出を容認することで合意にこぎ着けた。
ただ、自民内からは「防衛装備品のテーマを除けば存在感を今ひとつ示せていない」（中堅）との声が漏れる。

　渡海氏は無派閥で政治的な思惑に左右されにくいとされる反面、
麻生副総裁や茂木幹事長らとの距離感を指摘する向きもある。
規正法改正を巡っては、与野党の協議が近く始まることを念頭に
「結論が出なければ（国会の）会期を延ばすことがあってもいい」と発言し、
党幹部の一人は「不用意だ」と不満を漏らした。

　渡海氏は１９８６年衆院選で初当選し、同時期に起きたリクルート事件を
目の当たりにしてきたことで政治改革への思い入れは人一倍強い。
自民の閣僚経験者は「規正法改正を巡る議論で、過去の知見を生かせるかどうかが
渡海氏の評価に直結してくるだろう」との見方を示す。

読売新聞オンライン　http://www.yomiuri.co.jp