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★出馬に前向き？　裏金問題で自民離党の大野参院議員　ブログが波紋

2025年6月6日 5時30分

　夏の参院選が近づき、岐阜選挙区（改選数1）で現職の大野泰正氏（66）の動向が注目されている。
自民党派閥の裏金事件に絡んで在宅起訴され同党を離党。
改選を迎えるが、立候補するか否かをまだ表明していないからだ。
3選を目指し無所属で立てば、自民党公認の新顔と保守票を奪い合い、選挙結果を左右するとみられている。

　大野氏は昨年1月、政治資金規正法違反（虚偽記載）の罪で在宅起訴され、国会内で記者会見。
関与を否認し、「やましいことはない。職責を果たす」と述べ、議員活動を続けている。

　今年5月中旬、自らのサイトで久々にブログを更新。「いまお伝えしたいこと」と題し、心境をつづった。

　「9月に初公判を迎える予定」と明かし、「（裁判が始まっておらず）潔白を証明する機会を
与えられない厳しい状況にさらされていることは事実ですが、議席の重みを決して忘れることなく、
日々の職務に全力で取り組んでおります」と記した。

　さらに「国会議員として、国民の皆様のために働くことが何よりも重要」「一層努力を重ねてまいります」と続けた。

　今春は、東海環状道の新区間開通式など岐阜県内で催された数々の行事に出席。
5月下旬には、地元の同県羽島市と愛知県一宮市をつなぐ新濃尾大橋の開通式にも他の国会議員とともに参列し、健在ぶりを見せた。

　参院選に前向きとも受け取れる動きに、岐阜県議の若井敦子氏（53）を公認候補として擁立する自民党側はざわめいた。

　若井氏は空手道の元世界王者。2015年の県議選から岐阜市選挙区で3選を重ねるが、全県的な知名度はいま一つだ。

　一方、大野氏は自民党副総裁を務めた大野伴睦氏を祖父に持ち、父母も国会議員だった政治家一家の出身。
過去2回の参院選はいずれも圧勝した。立候補すれば、若井氏と票を奪い合う「保守分裂」となって野党に議席を奪われかねない。

　自民党関係者によると、県連幹部らが大野氏に「自重」を求めたが、進退の明言はないままだという。

　同党県議らから「出馬は反党行為」「無所属でどう戦うのか」といった警戒や疑問の声が聞かれる一方、
「離党したら、出馬しても反党行為とは言えない」との声も漏れる。

　武藤容治・自民党県連会長は5月末の選対会議の後、大野氏の進退について
「仮定の話は控えたい。（本人からは）何も聞いていない」と報道陣に語った。
若井氏は「どなたが出ようと、自分のすべきことを丁寧にやっていく」と話した。

　7月3日公示、20日投開票の日程が有力視され、刻一刻と迫る参院選。大野氏はいつ態度を明らかにするのか。

　立候補予定者の関係者が集う県選挙管理委員会の説明会は6月11日。
「ここで進退が分かるのではないか」「もっとぎりぎりまで分からない」。そんな臆測が県連関係者の間で飛び交っている。

　参院選岐阜選挙区には若井氏のほか、立憲民主党の服部学氏（53）、日本維新の会の山田良司氏（64）、
共産党の三尾圭司氏（48）、参政党の瀬尾英志氏（40）、政治団体「NHK党」の小池裕之氏（31）が立候補を表明。
立憲と維新は候補者の一本化を検討している。

朝日新聞デジタル　http://digital.asahi.com