ずんだもん Lab - ニュース速報α -

★25年版防衛白書「新たな危機の時代に突入した」　概要判明

小野太郎2025年5月10日 7時00分

　防衛省がまとめた2025年版防衛白書の概要が9日、判明した。
中国やロシアを念頭に「力による一方的な現状変更やその試みは既存の国際秩序に対する深刻な挑戦」だと指摘し、
国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、「新たな危機の時代に突入」したとの認識を示した。

　白書では、国際情勢について「パワーバランスが大きく変化し、国家間の競争が顕在化」しているとの見方を示し、
「特に米中の競争が一層激しさを増す可能性」を指摘した。
また、米国での第2次トランプ政権発足に言及し、「トランプ大統領は、就任以前から安全保障分野について発信」しているとしたうえで、
「米国の安全保障分野における動向は、わが国の所在するインド太平洋地域の安全保障環境に大きく影響」するとの認識を示した。


　尖閣諸島や東シナ海など日本周辺での活動を活発化させる中国の軍事動向は
「これまでにない最大の戦略的挑戦」と位置付け、日本が同盟国や同志国と協力・連携を進める必要性を指摘。
台湾周辺での軍事活動については「（中国軍が）既成事実化を図り、実戦能力の向上を企図している」と分析し、
中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題をめぐっては「インド太平洋地域の平和と安定に直結」する問題だと強調した。

　白書ではまた、北朝鮮による派兵などロ朝の軍事協力を例に挙げ、「各地域間の安全保障環境が連関しており、
ある地域における事象がほかの地域の安全保障環境に多層的な影響を及ぼし得る」と指摘。
日本としてはこうした各地域間の安保環境の関連性をめぐる動向を注視するとした。

　昨年の防衛白書は4部構成だったが、今年は石破茂首相が力を入れる自衛官の処遇改善など
「人的基盤」の項目を独立させ、5部構成に改めたのも特徴だ。

　白書は周辺国の動きや防衛省・自衛隊の取り組みを説明したもので、7月の閣議で配布、公表される。

朝日新聞デジタル http://digital.asahi.com