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★ 羽田空港ビル会社 内部調査 “元衆院議員息子の会社に利益”

2025年5月9日 22時56分

羽田空港のターミナルビルを運営する日本空港ビルデングの子会社をめぐる問題でビルデングが会見しました。
内部調査の結果、子会社が展開する空港のマッサージチェア事業で元衆議院議員の息子が
社長を務める会社に経済的利益を与える目的でビルデングの社長が契約相手の選定を主導し、
会長も容認していたことがわかったと明らかにしました。

目次
・ 国土交通省 報告書を精査し対応検討
・ 問題の構図は

この問題は日本空港ビルデングの子会社、ビッグウイングが羽田空港のターミナルビルで展開する
マッサージチェア事業を通じて自民党の古賀誠元幹事長の長男が社長を務める都内の
コンサルティング会社、アネストに資金を提供していたとされるものです。

●会社が内部調査 記者会見

この問題について日本空港ビルデングは特別調査委員会による内部調査の結果を公表し、
午後5時から会見を開きました。

それによりますと、ビルデングの横田信秋社長は、鷹城勲会長の紹介で元衆議院議員の息子と面談し、
ビッグウイングに指示して2006年にアネストとマッサージチェア事業の契約を結んだということです。

ビッグウイングからアネストに支払う機器設置利用料は売り上げの70％に設定されていましたが、
実際の業務は下請けの埼玉県の健康機器販売会社に丸投げされていたとしています。

●国税局の指摘後も支払い続く 10年で4億円余

その後、東京国税局からアネストには業務実態がないと指摘があり、健康機器販売会社との
直接契約に変更したものの引き続き、健康機器販売会社を介してアネストに対する
資金の支払いが続いたということです。

ビッグウイングからアネストに支払われた業務委託費は、
2016年までのおよそ10年で4億円余りに上りましたが、健康機器販売会社を介して
支払われた金額は不明だとしています。

これについて、横田社長がアネストに経済的利益を与える目的で契約相手の
選定や変更を主導し、鷹城会長も容認・助長したとしています。

マッサージチェア事業のほかには空港内の広告に関する代理店業務や、
経営コンサルティング業務でも同じような不適切な取り引きが確認されたとしています。

●特別調査委員会 “コンプライアンス基本指針に反する”

特別調査委員会は一連の問題について「長年にわたる人的な関係があるという理由だけで、
特定の人物に経済的利益を得させる目的で恣意的（しいてき）に取り引きを行うこと
自体がコンプライアンス基本指針に反する」としました。

これについて鷹城会長や横田社長などは、調査に対して元衆議院議員や
その息子に対して便宜供与の依頼をした事実はないと述べたということです。

また、特別調査委員会はアネスト側にも調査への協力を依頼しましたが返信はなかったということです。

●国土交通省 報告書を精査し対応検討

国土交通省は9日午後4時ごろ、日本空港ビルデングの担当者から調査結果をまとめた
報告書を受け取ったということです。

今後、報告書を精査したうえで、対応を検討するとしています。

●問題の構図は

日本空港ビルデングの子会社ビッグウイングは、自民党の古賀誠元幹事長の長男が代表を務める
コンサルティング会社「アネスト」と契約を結び業務委託費を支払っていました。

ただ、このカネの一部。
コンサルティング会社は業務の実態がないとして東京国税局が経費として認められないと指摘しました。
実際の業務は、コンサルティング会社の下請けに入るなどしていた健康機器販売会社がほぼすべて行っていたためです。

国税局の指摘を受けた後、ビッグウイングは販売会社と直接契約を結びます。
しかし、販売会社を介して「アネスト」に対して金銭の支払いが行われていたということです。
「アネスト」に支払われた金額は2016年までのおよそ10年で総額4億円余りにのぼり、
このうち、2016年までの5年間での1億円については東京国税局から指摘を受け、修正申告を行ったとしています。
（続く）

NHK　http://www3.nhk.or.jp

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