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★冗舌に否定、解明は後ろ向き　世耕氏、参考人招致

2025年4月22日 5時00分

　自民党安倍派の参院トップだった世耕弘成前参院幹事長が２１日、参議院予算委員会に参考人招致された。
世耕氏は還流再開を主導したとの見方を否定しつつも、幹部としての反省や責任を何度も口にした。
ただし、還流の仕組みが始まった経緯については「分からない」と繰り返し、
自ら実態解明に取り組む姿勢は見られなかった。

　安倍派は、派閥の政治資金パーティー券の販売について、閣僚経験などに応じてノルマを設定。
超過分を現金で還流する「裏金づくり」の仕組みが長年続いてきた。

　安倍晋三元首相は２０２２年４月、還流をやめるよう指示。いったん仕組みはなくなったが、
安倍氏の*去後、８月５日の幹部会合を経て還流が再開された。

　安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏は、幹部会合で再開が決まったとの認識を示したが、
会合に出席した世耕氏や西村康稔元経済産業相、下村博文元文部科学相が否定。
この食い違いを確認することが、世耕氏を参考人招致した大きなねらいだった。

　世耕氏は、ノルマ超過分を現金で還流することについて、
「尊敬する安倍先生からやめろと指示が出ていた」と再開の認識はなかったと主張。
松本氏とのメッセージアプリのやりとりも持ち出して冗舌に語った。

　一方、すでに還流を当て込んでパーティー券を多く売った議員への対応を議論したことは認めた。

　世耕氏が現金還流の再開に関与したとの見方を強く否定するのは、
現金を議員個人に渡すやりとりが、まさに「裏金化」であるからだ。
議員個人のパーティー券を派閥が購入すれば、お金の流れ自体は政治資金収支報告書に記載される。

　だが、これでも問題は残る。
派閥パーティー券のノルマを超えた還流分を派閥が購入することになり、政治資金の流れは不透明だ。
本来、派閥と各議員のパーティー券は別物であり、一部をあわせて計上していた西村氏は
東京地検特捜部の指摘を受けて政治資金収支報告書を訂正した。

　還流がいつどのように始まったのかについては、この日の質疑でも解明されなかった。

　還流の開始時期について、日本維新の会の柳ケ瀬裕文氏が
「（派閥会長だった）森喜朗元首相が知る立場にあったのではないか。森氏に問うたか」と追及したが、
世耕氏は「岸田文雄首相（当時）が党を代表して森先生に確認し、返事を受けている」と強調。
自身は確認する考えはないとした。（笹山大志）

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