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★ 八代亜紀さん私的写真入りCD発売 亡くなった人の権利は【QA】

2025年4月21日 18時01分

2023年に亡くなった歌手の八代亜紀さんの私的な写真を入れたCDについて、
鹿児島市のレコード会社は、21日からホームページで「発売中」と記載していて、
八代さんの出身地、熊本県などでは批判の声が上がっています。
記事の後半では、亡くなった人の権利や遺族の権利侵害などについて、
弁護士に取材したQ＆A解説をお伝えします。

鹿児島市のレコード会社は、おととし亡くなった歌手の八代亜紀さんの楽曲を収録したCDに
八代さんの私的なヌード写真を入れて発売するとホームページで発表しましたが、
発売の取りやめを求める署名活動がインターネット上で行われるなど、批判の声が上がっていました。

八代さんに関する権利を管理する会社は、レコード会社に対し、写真の使用をやめることなどを求めた
通知書を送っていましたが、これまでに回答は得られていないということです。

21日はCDの発売日となりましたが、販売大手の「タワーレコード」によりますと、
流通会社が取り扱っておらず店頭には並ばないほか、各社のネット通販サイトでも購入ができない状態になっています。

レコード会社では、会社に直接代金を支払えば購入できるとしていて、ホームページには「発売中」と記載されています。

注目

≪【Q＆A解説】肖像権などに詳しい弁護士は≫
佃克彦弁護士

この問題について、肖像権などに詳しい佃克彦弁護士に聞きました。

●亡くなった人の権利は？

Q.ヌード写真というとプライバシーに関わるように思えるが、亡くなった人の権利は守られるのか？

一般論として生きている人の裸の写真を発売するとなると、プライバシー権、あるいは肖像権を侵害するということになります。
しかし亡くなった人には法的に人格権の保障がないのでプライバシー権や肖像権はありません。
発売されると、誰のどういう権利が侵害されるのかという問題になります。

●遺族の権利侵害は

Q.本人以外には、誰の権利侵害がありえるのか。

遺族の心を痛めるという「敬愛追慕の情」を侵害しているという主張がありえます。
こうした主張を根拠に、八代さんの親族がレコード会社に差し止めや賠償を求めることが考えられます。
この主張で差し止めが認められたケースはあまり見当たりませんが、訴えが起こされれば、裁判所も「何が正義か」と考えると思います。

●罪に問われないのか？

Q.亡くなった人の許可なくヌード写真を配ることは、罪に問われないのか？

ご本人が生前、多くの人に配ることを許していたとは通常、考えられません。
いわゆる「リベンジポルノ防止法」では、プライベートな性的画像の記録を
不特定多数の人に提供する行為を犯罪としているので、法に触れる可能性はあります。
親族が警察などに被害届を出すことが必要です。

Q.レコード会社は、楽曲の権利や写真を買い取ったと主張している。

写真を買い取ったという意味が、例えば、撮影した人の著作権、あるいは撮影された
八代さんのパブリシティー権を譲り受けたということはあり得ます。
ただ、著作権があるかないかという問題と、ヌード写真を不特定多数にばらまいていいかは別の問題です。

●こうしたトラブルを防ぐには

Q.今後、こうしたトラブルを防ぐ法整備は必要だと思うか。

そうですね。リベンジポルノ防止法が成立したのも10年あまり前で、問題行為があると、
「こうした行為は許されない」という認識が広まり、法規制の議論につながることがあります。
また、裁判で「敬愛追慕の情」の侵害でも発売の差し止めが認められる、
という判例がつくられれば、問題解決の1つになると思います（続く）

NHK　http://www3.nhk.or.jp

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