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★維新、音喜多氏の敗因は？　東京1区の出口調査にみる無党派層の動き

木佐貫将司2024年11月2日 13時00分

　衆院選で自民党とともに厳しい結果となったのが日本維新の会だ。
自民の裏金問題で野党に追い風が吹く中、東京では小選挙区で1議席も取れなかった。
不振の象徴となったのが、「華の東京1区」（千代田区、新宿区）。
知名度があり、党の政調会長だった音喜多駿氏が大敗し、比例復活もできなかった。
朝日新聞社の出口調査からその原因を探った。

　1区は環境副大臣を務めた自民党前職の山田美樹氏、
かつて民主党代表だった立憲の海江田万里氏らが立ち、激しい戦いとなった。
結果的には海江田氏が1939票差で山田氏との接戦を制した。
音喜多氏は2人の票の半分ほどしか取れずに敗れた。

　出口調査は1区の30カ所の投票所で実施。1375人から有効回答を得た。

　調査結果から浮かぶのは、無党派層が勝敗を大きく左右した可能性だ。
支持政党について自民と答えたのは31％、立憲としたのは15％、維新は6％ほど、無党派層は23％だった。
音喜多氏が当選するにはこの無党派層の支持を集めることが最大の鍵だったとみられる。

　だが、無党派層の33％は海江田氏に投票したと回答。
音喜多氏と答えた人は次に多かった22％だったが、海江田氏に大きく差をつけられた。山田氏は18％だった。

　無党派層はなぜ、海江田氏に流れたのか。その一因とみられるのが裏金問題だ。

　投票で裏金問題を「考慮した」と答えた人は73％。
そのうちの38％が海江田氏に投票したと答え、山田氏が22％と続いた。
音喜多氏は、自身も政治資金収支報告書の不記載が判明した山田氏をも下回る16％にとどまった。

　また、「石破政権を支持しますか」との質問に「支持しない」と答えた人のうち、40％は海江田氏に投票したと回答。
音喜多氏は半分程度の19％だった。
有権者が裏金や政権批判票の受け皿として音喜多氏ではなく、海江田氏を選んだことがうかがえる。

　維新は裏金問題をめぐる政治資金制度改革で、自民と合意文書を締結したこともあり、
音喜多氏も含め、自民寄りとみられた可能性がある。
対照的に立憲は裏金問題を選挙期間中も繰り返し取り上げ、争点化に成功した。

　一方、山田氏の敗因は自民支持層の離反だった可能性がある。
支持政党別でみると、海江田氏は立憲支持層の87％をまとめ、自民支持層の16％からも票を得た。
他方、山田氏に投票したと回答した自民支持層は65％にとどまり、
得票総数で海江田氏にわずかに及ばなかったとみられる。（木佐貫将司）

◆東京1区の開票結果
海江田万里　75　立憲前（9）　56,979票
山田　美樹　50　自民前（4）　55,040票
音喜多　駿　41　維新新　　　29,002票
佐藤沙織里　35　無所属新　　12,255票
中野　顕　　60　共産新　　　11,889票
桜井　祥子　40　参政新　　　10,636票
高木　寛史　40　諸派新　　 　　951票
新垣　宏　　80　無所属新　　　 716票
新藤　伸夫　75　諸派新　　　　 530票

※得票数順。年齢は投開票日現在。カッコ内数字は今回を含んだ当選回数

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