ずんだもん Lab - ニュース速報α -

★自民総裁選、若さアピールの小林鷹之氏　裏金・宗教・派閥の影

　9月に予定される自民党総裁選は、計11人もの議員が出馬に意欲を示し、本命なき混戦の様相を呈している。
そんな中、小林鷹之前経済安全保障担当相（49）が19日、トップを切って出馬表明した。
今後、出馬記者会見が相次ぐとみられ、総裁選レースは加速しそうだ。

●「脱派閥」強調、ちらつく安倍派・二階派

　「私はチャレンジャーの立場。私自身のビジョン、政策を一人でも多くの党員や国民に知っていただきたい」

　小林氏は19日の会見で「ポスト岸田」候補の先陣を切って出馬表明した理由をそう語った。

　小林氏はこの日の会見で「脱派閥選挙を徹底する」と強調した。その言葉を裏付けるかのように、
会見には派閥を超えて小林氏を支持する当選1〜5回の計24人が同席。
安倍派や二階派、麻生派、岸田派、無派閥の議員が並んだ。

　小林氏に近い自民中堅はベテランや重鎮が同席しなかったことについて
「若さや刷新感を打ち出すのにベテラン勢がお目付け役でいたら何も変わっていないとみられる」と解説。
小林氏周辺は「同席した議員が推薦人の中心的なメンバーになる」との見通しを語った。

　また小林氏は政治改革について、改正政治資金規正法で10年後の領収書公開などが盛り込まれた
「政策活動費」のさらなる透明化や、政治資金をチェックする第三者機関の設置を進めると訴えた。

　ただ、小林氏の背後には裏金事件を受けて多くの議員が処分された安倍派や二階派の「影がちらつく」との指摘もある。
この日同席した24人も安倍派がうち11人、二階派が4人を占めた。

●小林氏の姿勢を疑問視する声も

　小林氏は今月上旬のインターネット番組で、処分された安倍派議員らが要職から除外されている現状に疑問を呈した。
他の議員だけで党や国会を運営するのは厳しいとして「処分を受けた方も一人一人は優秀だ。
挙党一致で取り組まないと国難を乗り越えるのは難しい」などと述べた。

　会見で改めて見解を問われた小林氏は「要職を外れた方を元に戻すとは一切申し上げていない。
処分されていない議員で役職を外されている方がいるので、国民の一定の理解を得られた時点で
適材適所の人事を行うことが大切だという趣旨だった」などと釈明に追われた。

　また世界平和統一家庭連合（旧統一教会）側との関係について問われ、かつて教団関連のイベントに
出席したことがあったと明らかにした上で「軽率だったと反省している。
選挙支援の依頼や金銭のやりとりはなく、今後関わりを持つつもりもない」と強調した。

　「脱派閥」を強調した小林氏だが、自身は二階派に身を置いており、出馬表明にあたっては、
裏金事件の責任をとって次期衆院選への不出馬を表明した二階俊博元幹事長にも報告したという。
小林氏は会見後に出演したテレビ番組で「派閥のボスと決別できるのか」と問われ、
「決別という言い方はあまり適切ではない。今やるべきことは、後輩から大先輩に至るまで
全ての人材の能力や経験を結集して、自民、日本の課題に向き合っていくということだ」と応じた。

　立憲民主党の安住淳国対委員長は19日、小林氏の会見に派閥から裏金を受け取っていた
議員が複数同席していたと指摘し「裏金議員ロンダリングになってはならない」と述べた。
自民のある議員も「安倍派をかばっちゃだめだ。自民党はあの人たちのせいで
迷惑をこうむっているんだから」と話し、小林氏の姿勢を疑問視した。【野間口陽、遠藤修平】

毎日新聞 2024/8/19 21:16（最終更新 8/20 03:44） http://mainichi.jp