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★「辞めて」「他にいない」都議補選惨敗で萩生田都連会長の去就焦点に

森岡航平 松田果穂2024年7月11日 5時00分

　選挙に強い人気者とのパイプを優先するか、それともトップの辞任で裏金事件の払拭（ふっしょく）を狙うか――。
自民党の東京都議補選での惨敗を受け、党都連会長の萩生田光一前政調会長の去就が焦点となっている。
今後の大型選挙を見すえ、難しい判断が迫られそうだ。

　「自民党への逆風の原因を作った一人として、ご迷惑をおかけした」

　萩生田氏は都議補選の結果が出た7日夜、自身の地元・八王子市の選挙区から立った自民候補の事務所に駆けつけ、頭を下げた。
自らの足元で自民候補は大敗。自民は、ほかでも振るわず、候補を立てた8選挙区で2勝6敗と惨敗を喫した。


　裏金事件で3千万円近い不記載があった萩生田氏は「党の役職停止」の処分を受けたが、
停止されるのは党本部の役職だけとする岸田文雄首相のお墨付きもあって、都連会長を続投した経緯がある。
都連幹部らが、要職を歴任し、調整力や幅広い人脈がある萩生田氏に重し役を期待したことも大きい。

　しかし、都議補選は惨敗。萩生田氏の足元での完敗を重く見る声がある。
都連所属の国会議員は「八王子であれだけの惨敗。自発的に辞めて欲しい」、
別の衆院議員は「萩生田氏は辞めないと駄目だ。
本人は責任感が強く、『俺が辞めたら後は大丈夫だろうか』と考えるだろうから、
誰かが『辞めるべきだ』と伝えるべきだ」と語る。

　一方、中堅の衆院議員は「萩生田氏の責任が大きいのは間違いないが、
代わりに都連を任せられる人がいない」と都連の人材難を理由に、萩生田氏の続投を求める。

　続投を求める声の背景には、大型選挙が続く事情がある。早ければ年内に衆院選、
来年には都議選と参院選があり、萩生田氏には小池百合子都知事とのパイプ役が期待されている。
都議補選と同日に行われた都知事選での圧勝で、人気の高さを改めて示した小池氏の支援を大型選挙で受けたいとの思惑だ。

　ただ、萩生田氏は「裏金事件の象徴」（自民都議）との見方も強く、
ある都議は「1回リセットされない限り、どうやっても都議選は負ける」と頭を抱える。

　萩生田氏は裏金事件に加え、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）との関係も指摘され、
次の衆院選では苦戦も予想される中、安倍派の衆院若手は
「萩生田氏は自分のためにも都連会長は辞めた方がいい」と指摘する。（森岡航平、松田果穂）

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