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【★安倍派幹部、自民党が再聴取へ　自発的な「引責」促す狙い　裏金事件

2024年3月23日 5時00分

　自民党は組織的裏金作りを行っていた安倍派の幹部に対し、2度目の事情聴取を週明けにも行う方針を決めた。
事件への関与の度合いなどを把握し、4月上旬にも決定する処分に向けて手順を踏む形だが、
処分前に同派幹部自らが責任を取るよう促す狙いもある。

　複数の政権幹部が明らかにした。再聴取の対象は、衆参の政治倫理審査会に出席した幹部を想定する。
同派座長の塩谷立・元文部科学相や、派閥運営を取り仕切る事務総長経験者の下村博文元文部科学相、
松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前党国会対策委員長、
参院側トップだった世耕弘成前党参院幹事長を念頭に置く。

　裏金事件をめぐっては、会長だった安倍晋三元首相が2022年4月、派閥のパーティー券販売の
ノルマ超過分を現金で還流する形での裏金作りをやめるよう幹部に伝えたが、
安倍氏*去後の同年8月の幹部協議を経て還流は継続された。
一連の経緯をめぐり、政倫審での幹部の弁明が食い違っており、
「継続の経緯がわからないままだ」（党幹部）として再聴取が必要と判断した。

　政倫審での弁明を経た後での再聴取は、安倍派幹部たちが説明責任を果たしていないとして、
厳しい処分を下す考えを党側が持っているとのメッセージになる。
党関係者は「再聴取を機に色々な動きが出てくる」と説明。
安倍派幹部に離党を含む自発的な対応を促す考えがあるとみられる。

　岸田文雄首相は安倍派議員のほか、自派閥が立件された自身と二階俊博元幹事長も処分する方向で調整している。
首相はすでに複数の党幹部と個別に面会を重ね、処分内容の妥当性などについて意見を聴き始めている。
安倍派幹部と、個人としても多額の不記載があった二階氏に対しては「党員資格停止」「選挙における非公認」などの案が浮上。
安倍派幹部が自ら、離党などでけじめを示せば、二階氏も対応を迫られることになる。

　首相の処分は、8段階ある処分のうち2番目に軽い「戒告」以下が有力視されるが、批判が出る可能性が高い。
安倍派幹部や二階氏が自ら対応し、処分対象から外れれば、処分による首相自らへの批判を最低限に抑えられるとの狙いもある。

朝日新聞デジタル　http://digital.asahi.com