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★岸田首相　野党からの集中砲火　裏金事件陳謝も実態解明には及び腰

[ 2024年1月30日 05:30 ]

　衆参両院の予算委員会は29日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた集中審議を行い、
岸田文雄首相が野党から集中砲火を浴びた。冒頭で陳謝する一方、実態調査に及び腰な姿勢を露呈。
「信頼回復へ先頭に立つ」と繰り返してきた首相の本気度を疑わせる印象を与えた。

　衆院では、トップに立った自民との質疑で党改革の中間報告では触れなかった連座制に言及。
会計責任者だけでなく議員にも刑事責任を負わせるもので「各党とも議論していきたい」と答弁。
実態解明に向けては、関係者から事情を聴取する枠組みづくりを党幹部に指示したとした。
野党の機先を制すべく、前向きな姿を演出した自民との連携プレー。
しかし、追及の手が緩むことはなかった。

　「自民党全体が裏金に汚染されている」と断罪する立憲民主党から、実態解明が不十分な中で
派閥解消などの再発防止策を公表した点を繰り返し批判されると、不満そうな表情を浮かべながら
「実態把握と反省と再発防止は並行して行わなければならない」と苦しい弁明。
「何人が裏金をもらったのか」と直球を投げられると、「う〜ん」と言いよどんだ後で、
安倍派で30人以上、二階派では7人が政治資金収支報告書の訂正をしたと述べた。

　「責任」という言葉を連呼する一方、曖昧答弁を連発。「裏金議員」の人数を再度問われるなどしても
「裏金の定義を確認しないといけない」などと繰り返すばかりで、実態解明への勢いは失速。
「裏金議員一覧」を示すよう何度も求められた場面では「関係者が多数に及ぶ」と図らずも
裏金のまん延ぶりを認め、ただちには対応しない姿勢を見せた。

　共産党からは、岸田派の収支報告書不記載を巡り「裏金だ」と詰め寄られ「銀行口座に残っている」と強弁。
国民民主党から、ガバナンス不全で私学助成金が3年連続で全額不交付となった日大を引き合いに、
政党交付金の受け取り辞退を迫られると、「派閥の一部」で起こったとし「民主主義の発展のために導入された」制度だと強調。
「どの口が言うんだ」と指摘する声が聞こえてきそうだ。

　野党は安倍派幹部らの参考人招致を要求。開会したばかりの政治改革国会は第2、第3ラウンドへと続く。

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