ずんだもん Lab - ニュース速報α -

★千代田区で官製談合か　「都議会のドン」元側近の自民区議と元部長逮捕　周囲に「俺は絶対に逮捕されない」

2024年1月24日 20時45分

　東京都千代田区が発注した工事の一般競争入札情報を業者に漏らしたとして、
警視庁捜査2課は24日、官製談合防止法違反（入札妨害）の疑いで、
自民党会派の区議の嶋崎秀彦容疑者（64）＝千代田区＝と区の行政管理担当部長だった
吉村以津己（いづみ）容疑者（61）＝静岡県熱海市＝を逮捕した。

◆小学校・幼稚園の改築入札めぐり最低制限価格と参加業者を漏えいした疑い

　捜査2課は24日午後6時前、区役所の契約関連部署や議員控室を約20人態勢で家宅捜索した。
業者からの見返りの有無も調べる。
　区議会事務局によると、嶋崎容疑者は同日、辞職願を提出し許可された。
2003年に初当選し6期目、13-15年に議長を務めた。
区によると、吉村容疑者は18年4月?20年3月、区発注工事の契約を担当する行政管理担当部長を務めた。
　逮捕容疑では共謀して20年4月、区立お茶の水小学校・幼稚園の改築工事の2件の一般競争入札を巡り、
最低制限価格に関する情報や入札参加業者数を配管工事会社「日管」（浜松市）と
設備工事会社「五建工業」（千代田区）に漏らしたとされる。認否は明らかにしていない。

　業者から依頼を受けた嶋崎容疑者が、吉村容疑者を通じて情報を入手し、業者に伝えていたという。
　入札は20年5月にあり、日管を含む共同企業体（JV）が空調工事を約6億8000万円（落札率79.9％）で、
五建工業を含むJVが給排水工事を一者応札で約6億6000万円（同99.8％）で落札した。
　本紙の取材に日管は「担当者が不在で対応できない」とし、五建工業は「お答えすることはない」と話した。
　樋口高顕（たかあき）区長は「首長として責任を感じる。
再発防止策の徹底は、第三者機関を設置して対応していく」とのコメントを出した。
　　　◇
◆「内田先生に言っておくから、まずは俺を通して」…周囲の証言は

　東京都千代田区が発注した工事の入札を巡り、重鎮区議に捜査のメスが入った。
警視庁が官製談合防止法違反容疑で24日逮捕した区議の嶋崎秀彦容疑者（64）＝同日辞職＝は、
区議長や自民党会派の幹事長という要職を歴任する一方、業者側からは「企業の窓口」と受け止められていた。（佐藤航、奥村圭吾）

　嶋崎容疑者が都内で毎年開いていたとされる「異業種交流会」。発起人の1人という男性は「先生は企業に顔が広い。
先生が声をかけた多くの企業が参加していたが、談合疑惑は聞いたことがなかった」と話す。
　「都議会のドン」と評され、2022年12月に亡くなった内田茂元都議に近かった嶋崎容疑者。
ある区政関係者は、嶋崎容疑者が区内で再開発を目指す企業に
「内田先生に言っておくから、まずは俺を通してほしい。職員と一緒にやるから」とたびたび話していたと証言する。
　22年夏、「区の入札情報を管工事業者に伝えている」という嶋崎容疑者を巡る告発文が区内にまかれた。
本人は当初、周囲に「俺は絶対に逮捕されない」と語っていたとされる。
　だが、警視庁が23年秋に区職員らへの任意聴取を本格化させると、10月13日を最後に議会を欠席し続けるようになった。
事務所があるビルに入る家業のそば店もこのころから休業し、記者が逮捕前日に訪れた際もひっそりとしていた。
　自民党の別会派の男性区議は「大きな問題を起こすようなタイプではないが…。
不正が事実であれば、議会として真相解明に努めなければいけない」と話す。
　区内の自営業の70代男性は「何のための入札なのか。こっちは商工業者として真っ当に生きているのに」と怒りをあらわにする。
60代女性は、談合の舞台が区立小学校・幼稚園だったことに「せっかくの子どもたちのための施設なのに…。
びっくりしたし、残念」とつぶやき、「警察は事件の真実を私たちに教えてほしい」と願った。
（続く）
東京新聞　http://www.tokyo-np.co.jp

続きは>>2-4